セミナー開催報告
デジタル技術はスポーツをどう変えたのか!?
次に、「戦略の進化」について触れます。リバプールFCはGoogle DeepMindと共同開発したAI「TacticAI」を利用しており、選手の動きやコーナーキックの結果を瞬時に予測・分析しています。デジタル技術がサッカーの戦術をどう進化させ、チームが勝利をつかむための秘密を明らかにします。また、データを活用することで、監督が試合中に戦術をリアルタイムで調整できる未来が、すでに現実のものとなっています。
最後に、「スポーツ中継の進化」に焦点を当てます。過去の中継はカメラの限られた視点からしか見ることができませんでしたが、今ではボリュメトリックビデオやドローンを用いた360度映像により、視聴者はまるでその場にいるかのような臨場感を味わえます。メジャーリーグの試合でホームランを放つ大谷選手のプレーを、様々な角度から観察できる技術の進化が期待されます。
本トークショーでは、ジェイスポーツの杉山淳一氏と共に、スポーツとデジタル技術の融合による未来を掘り下げ、次世代のスポーツ観戦やアスリート育成の可能性を探ります。
また参加者から寄せられた質問に対し、「AIによる審判の可能性」や「マイナースポーツ視聴の未来」といったテーマについて、ジェイ・スポーツの杉山淳一氏より貴重な見解をいただきましたのでご紹介します。
今回のオンラインセミナーをお見逃しの方は、佐世保情報産業プラザYouTube公式チャンネルよりご覧いただけます。ぜひご視聴ください。
セミナー参加者の声
ジェイ・スポーツ 杉山 淳一 氏
A. AIを利用した審判の可能性は低いと考えます。理由としては、既に各種競技においてビデオ判定が導入されており、審判とは別のビデオ判定専門の審判が判断をしている中、その部分をAIに任せるというのは、効率化(人件費削減)の観点からはアリですがスポーツという性格上それでいいのか?という議論になると考えます。言い方が悪いですが、誤審も含めてそれがスポーツの醍醐味だと私は思いますが、視聴者の皆さんはどうお考えでしょうか。
最近でもサッカー日本代表の試合でゴール前でパスを受けた選手が振り向きざまに見事に得点を決めたシュートがビデオ断定の結果、オフサイドラインから数センチ半身の一部が出ていたことで取り消されるという事象がありましたが応援している側からするとあれがオフサイドで得点無効という判断をされると興ざめしてしまいます。昔に比べると厳密に正確な判定が行えるようになったという側面ではよいことですが、試合の流れの中であえてオフサイドの判定を下さいという人間らしさが判定にあった方がいいと個人的には思います。
会社員
Q. 多チャンネル化によるマイナースポーツ向けオーダーメイドチャンネルの可能性について(例:AI検索による剣道などマイナースポーツコンテンツの集約)
ジェイ・スポーツ 杉山 淳一 氏
A. AIを活用し、自分が見たいジャンルのコンテンツを集めて自分で楽しむ、というスポーツの見方は今後出てくる、またはすでにそうしている人もいるかもしれません。ただ、それを商売としてサービス提供する事業者が出てくるかどうかはなんとも言えません。現在マイナースポーツは協会が独自で試合等の映像を撮影しYoutube等で無料で展開しています。AIを使ってそのような映像を探すという個人レベルでの視聴方法が普及するのではないでしょうか。
会社員
Q. AIによる審判の可能性はどこまで進むとお考えですか?
(例:野球のストライク・ボールや、バスケ・サッカーのファウル判定)